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between the sky


フィンランドの片田舎での営み
by bts_wn
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アメージング・グレース

アメージング・グレースの歌しっていますか?聖歌で「驚くばかりの」という題名ですが、驚くばかりの事をやはり神様はなさってくれます。

夫には兄弟が多く、人間関係の苦手な私は独りで勝手に苦労していました。親子が話しながら団らんするという夫の家族の光景に私は圧倒されて、(この家族はなんてなかのいい家族なんだろう)と思い、(私にはこういう所に居場所がない)と自分で彼らの間に距離を置いていました。都市部に住んでいる姉たちとはつき合っていましたが、週末ごとに「一緒に遊ぼう」と言われるのが何年もつづくと、次第に(そこまで毎週毎週一緒にいる必要もないじゃない)と、嫌気が差してきました。

特にいやな気持ちになったのは、時間にルーズな夫の家族に、約束を放り出されたり、家族で集まる機会が多いし、こっちはおもてなしの準備をして待っているのに、時間にあらわれなかったりと、自分の生きてきた環境と彼の家族の習慣の違いに傷つくこともありました。特に時間にルーズなのが嫌いな私は余計イライラしました。自分のやる事に意味がないように思われたからです。あと、社会的地位の高い姉に障害を持つ子がいましたが、自分の用のある当日の数時間前に、いきなり「今日、ベビーシッターして」と頼まれ、「NO」と言えない自分でもあったから本心はイヤなのに引き受けてしまったり、その後で夫に嫌だと話す機会もありましたが、その度に「お前は心がないのか?これは義務だろう」と言われ、私の言う事は何も尊重してくれないんだという思いが何年も積もっていました。


姉の一人はシングルマザーで、若い頃は拒食症にもなり、成人してからはアル中になったりと大変な人生を送っていました。食べ物にアレルギーもあり、食事に招待する時もいつも気を使いました。彼女は精神的に弱く、何か危機に陥る度に夫に深夜になると何時間も電話をしてきたりしたので、そこでも私は(やっぱり自分の兄弟の方が大事で、自分の方が大切にされていないんだ)と思いました。私にも直接電話してきたりしたので、小さい子供の世話などで忙しい時期だったので、本当に迷惑に思っていました。見た目で精神的に大丈夫とはいえない時も、私はただ見ているだけでした。

さて、このシングルマザーの姉の娘が15歳になり、堅信礼(RIPPI)がありました。ルーテル教会に属しているフィンランド国民はこのRIPPI後に教会での聖餐式に加わり、ゴッドファーザーやマザーになる事ができるようになります。もちろん、また家族内でのお祝いです。この夏は夫の実家や兄弟との交わりも多く、ちょっともううんざりしていました。どうせいつもの昔話だし、私のしらない人の事話されても私はついていけない…。こんなしょっちゅう会っているのに「最近どう?」っていう話もしたくない。この娘の儀式は嬉しかったですが、その後の家族での交わりは本当にイヤでした。それがやはり態度にでてしまうって分かっていましたが、どうにもならない事です。
帰宅後夫にやはり「なんでお前はパーティであんな無関心でいれるんだ」と責められました。古いわたしだったら、怒って理由を並べるところでしょうが、私は私の非を分かっていたのでただ神の御前で祈り、泣きました。どうしてもあの集まりの中で私はオープンになれず、誰ともどんな事も話す気になれない、責められてもそれは自分でどうにもできませんと。

それから二日後、シングルマザーの姉から突然電話がかかってきました。普段無い事だったので、緊張して電話にでて話を聞きました。最初(酔っているのかな?)と思いましたが、なんと彼女も「自分も毎週教会に通っている」、「イエスがいなければ人生やっていけない」、「お酒だって完全にやめた」などとなり、そして「Rika、今まであなたを傷つけてきてごめんね」と。私は戸惑いました。どうして謝れるの?って。そして「自分が子供の頃に歌った賛美を歌う」と電話口で歌い始めました。「ごめんね」この一言を私は夫やその家族の誰からか、無意識の中でどれほど望んでいたんだろう。それを聖霊に示され「ごめんね、姉さん。私のほうが謝らなくてはいけなかった…」私も涙を流しながら彼女に謝りました。姉の信仰はどういうものだろう?と最初疑問を抱きましたが、こうやって「ごめんね」と言う事が出来る事、それが神からの恵み。私はそれができるように信仰を与えられたのに、自分の心がどうしても夫の家族達を赦したくないと今まで赦す事を拒んできていました。自分は自分の弱さを見て、知るだけで精一杯な時だったけれど、彼女の勇気ある行動で私は人の弱さをも理解出来るようになったと思います。

「われらに罪をおかすものを
われらがゆるすごとく
われらの罪もゆるしたまえ」 

と、主の祈りにありますが、赦す事は神の恵みがなければできない事です。
こうやって、自分で予測できない事ばかり起こしてくれるイエス様はやはり素晴らしい!
by bts_wn | 2008-08-21 20:05 | 聖霊による涙